狩人と赤い頭巾の狼ちゃん

あきのななぐさ

第一章 赤頭巾ちゃんは動き出す

第1話ひめ事

「ふふっ、おじ様。ここ、すごく固くなってるわ。しかも、猛々しい。ああっ、こんなに立派で――、たくましい――。はぅ……」

 甘くとろけるような声が、俺の上でそう告げる。しかも、その声は早瀬のように艶やかさを増していく。


「ああっ、私どうにかなっちゃいそうです。私、初めてなのに……。おじ様の――、逞しさと力強さを感じてしまう……」

 呼吸はどんどん荒くなり、少女の声に熱がこもる。少女の体で生まれた熱が、その手を通して俺の体に伝わってくる。みずみずしく、しなやかな肢体が俺の体を押さえつける。


「ああっ、もう……、私……」

 熱い吐息と共に這わせる少女の指。それと共に熱のこもった少女の太ももが、俺の半身にこすり付けるように動いていた。互いの体がこすれる度に上がる熱が、少女の脳髄を刺激する。

 うねるような尻の動き。喘ぎを増す少女の声。互いに刺激を受けて、俺の上でその動きを増していく。


「ああっ、ああん……」

 少女の吐息と体の熱。それが、ますます俺を固くする。


「ああっ、すごいわ! もう、おじ様! 私っ! ――だめぇ!」

 自らをその頂に押し上げて、少女は力なく俺の体に崩れ落ちる。支えることもできずに、その体をすべて俺に預ける少女。なお荒い息が、俺の体を刺激する。少女の鼓動と温もりが、俺自身をさらなる高みに誘う。


 だが、それは荒々しく開け放たれた扉と共に聞こえた声に阻止された。いくぶん剣呑な雰囲気を纏ったまとった声と共に。


「何してんだよ! 親父! 若菜ちゃん!」


 買い物袋を床に落とし、扉の前で固まる中学二年生。


 そう、むき出しの感情を放つ息子が、俺の目に飛び込んできた。

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