ワンデイラブ
しゅりぐるま
告白
そんな和真先輩の目が、時折、私を追いかけていたなんて、誰が信じる?
自分で言うのも何だけど、私は恋愛に疎くて鈍感。男子から告白されているのに冗談だと思って流してしまったことさえある。だから正直、彼氏のいる友だちは一気に大人になってしまったようで、恋愛話を聞くと、どんなに距離の近い子でも、遠く離れた土地に住む、見知らぬ子になってしまったような感覚に陥る。
そんな私を和真先輩が呼び出すなんて、何か怒られるようなことをしたんじゃないかって思ってしまうのも無理ないよね?
私は和真先輩に連れられて、悪いことをした犬のように情けない顔で校舎裏に歩いて行った。
「
「は、はい」
「好きなんだ。俺と付き合ってくれ」
和真先輩の突然の告白に私の頭は真っ白になった。嘘でしょう?
じわじわと私の頭に先輩の言葉が浸透して行って、「えええっ?」と口に出すには、返事を待ちきれなくなった先輩がこちらを睨むくらいまでの時間がかかった。
「とりあえず今日、部活が休みなんだ。一緒に帰ろう。図書室で待ってる」
それだけ言い残すと、先輩は私を置いて行ってしまった。返事すらできていない、情けない私。でも、俯いた先輩の顔が、耳が、真っ赤だったのを思い出して、とても嬉しい気持ちが後から湧いてきたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます