第8話うれしいね、おともだち

ゆうちゃんは今日から新しいお家です。

お引っ越しをして新しいおうちにやって来たのです。

新しいまち、新しいおとなりさん・・・何もかもが新しいのです。


でもゆうちゃんはお引っ越しをしたくありませんでした。

なぜなら仲良しのひろくんとお別れをしなくてはいけなかったから。


「ゆうちゃん・・・ココにいたいなぁ・・・」


ゆうちゃんは最後の最後まで駄々をこねていました。

でもここからだとパパがお仕事に行くのにとっても遠くなってしまうので仕方なくお引っ越しを決めたのです。


いよいよお引っ越しの日。


「ゆうちゃん!遊びに来ればまた逢えるよ♪」

ひろくんはゆうちゃんに言いました。

「うんっ!きっときっと遊びに来る!」

ゆうちゃんも言いました。


そして、車に乗り込むと、ひろくんが手を振る姿が見えなくなるまで後ろを向いて手を振っていました。

ひろくんが見えなくなってしまうと急に淋しくなり泣き出してしまいました。そんなゆうちゃんにママが優しく、

「ゆうちゃん。ひろくんからプレゼントをもらったのよ。開けてみる?」

と言ってくれました。ゆうちゃんは、

「うん・・・」

と言って包みを開けてみました。


中にはひろくんが折った折り紙がたくさん入っています。

そしてその中にお手紙も入っていました。年長さんのひろくんやゆうちゃんは、幼稚園でもひらがなをお勉強しています。覚えたばかりのひらがなを使って一生懸命書いてくれたのです。


「ゆうちゃんへ

まいにちあそべなくなるのはさみしいけど

まいにちあそべないと こんどあそべるときに

とってもたのしいよ。

ひろくんも ゆうちゃんの あたらしいおうちにあそびにいくから ゆうちゃんもひろくんのおうちにあそびにきてね。

それから あたらしいようちえんでも たくさんおともだちをつくってね。

ひろくんもたくさんつくるからね。

ぼく おおきくなったらゆうちゃんをおよめさんにしてあげる。

そしたらずっといっしょにいられるからね。

ママたちにはないしょだよ。 ひろくんより」


手紙にはこう書かれていました。ゆうちゃんは急に元気になりました♪

そして、新しいお家に着いた頃には泣いていた顔もすっかり明るい笑顔に戻っていたのです。


ゆうちゃんはもう淋しくありません。

だって、大きくなったらひろくんのお嫁さんになるんだもん♪ずっとずっと一緒にいられるんだもん♪その時までにたくさんのお友達を作っておかなくちゃね。ひろくんとの約束だもんね♪


ひろくんのお手紙は、淋しかったゆうちゃんの気持ちを助けてくれました。


お友達って嬉しいね♪


そうだっ!あなたもゆうちゃんのお友達になってね♪

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