初恋はレッド
月嶺コロナ
第一回
あたしが好きな色はレッド。燃えるような赤。情熱の色。憧れの色。皆は『無理』って口を揃えて言うけれど、あたしには夢がある。スーパー戦隊のレッドになるという夢が。
小さい頃あたしは魔法少女アニメには目もくれず、スーパー戦隊ばかり観ていた。
「
「見た見た! 今期は恐竜なんだよ。ガオーッって恐竜たくさん出てくるの! プテラノドンとかブラキオザウルスとかもカッコいいけど、一番はやっぱりレッドのティラノ! 最っっっ高にカッコ良かった!
「大牙って誰だよ」
「今期のレッドの人だよ。
「マジで赤城は特撮好きだよな。そんでバリバリレッド推し」
「特撮って言うか、スーパー戦隊シリーズが好きなんだよ」
「何か違うの?」
「スーパー戦隊は基本5人チームで力を合わせて戦うヒーローシリーズなんだよ。特撮は特殊撮影技術の略で、ゴジ○とか月○仮面とかも特撮だね」
「なにソレ聞いたことない。ゴジ○は知ってるけど……というかゴジ○も特撮って言うの!?」
「そうだよ」
素で驚く彼は幼なじみの
こんなに楽しいのにもったいない。特殊な技術を駆使して普通じゃ撮れない派手でダイナミックな撮影、それが特撮。
あたしはスーパー戦隊が好き。一人で戦うんじゃなくて、複数で、皆で力を合わせて戦う友情、愛、絆の物語。一人一人がヒーローで皆カッコいい。その中でも一番輝いて見えたのがレッドだった。
今まで色んな題材のスーパー戦隊を観てきたけど、いつも大好きになるのはレッドだった。
今期は勿論、レッドの大牙君推し! ちょっと抜けてるところがあるんだけど、熱血で仲間想いな優しいリーダー。相棒のティラノサウルスと話してるシーンはギャグ要素があって可愛いし面白さ満点。
スーパー戦隊は毎回モチーフや題材が決まっていて、昭和のスーパー戦隊は科学とか宇宙とか空想生物だったり、ちょっと難しい内容が多かったかもしれない。
最近じゃ見なくなった、メンバー全員が兄弟っていう設定は見てて燃えたな。
平成は恐竜や警察、忍者、海賊とか、子供でも分かりやすい設定が増えたと思う。若手の俳優さんが演じるから女性の視聴者も増えたみたい。ライダーには負けるけどね。
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