第2話 帰省
8月16日AM0:50
もう走ってから一時間はたった。道中はさっきの奴の影響からか震えが止まらなかった。
いくらAGO(反ゲリラ組織)でもあんな経験はしたことなかったからだ。
それにこの夏だ。発汗がものすごかった。喉が渇いたので、商店に立ち寄った。
勿論誰もいない。有り金はガソリンスタンドに置いてきてしまったので、
少し罪悪感があるがタダでもらうことにした。
「飲み水は…よし2リットルが3本か」
「見た感じ腐ってはないし大丈夫だろう」
手に取った水を一口飲み大丈夫だという顔で残りを車に詰めた。
「おっリュックサックじゃないか」
「誰のかわからんがもらっていこう」
リュックサックを背負い、車のエンジンをかけここを後にした。
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8月16日AM1:00インディアナ
ブウウゥゥン
(なんだあの娘見たことがあるぞ)
「ん?」
「あ!兄さん!」
キィィッ
「アシュリー!父さんは?」
「…」
「父さんは先に逃げろって言ったの」
「そうか…だがお前が生きているだけでも良かった。」
「途中で看板があったんだけど…」
「どんな?」
「ラグーンに避難所があるらしいの」
「だめだ」
「どうして?」
「いいか?避難所なんざ所詮表向きの口だけだ。大げさに言うが
ここよりも生活が苦しい。それにその避難所を運営しているのは
聞いたところABOっぽいぞABOはCIAの下部組織だ。俺たち民間
の機関であるAGOを入れると思うか?」
「それにだ、俺はブラックマーケットで買った食糧なんてごめんだ」
「じゃあ…」
「一応家へ戻ろう」
「うん」
ブウウゥゥン
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8月16日AM2:00アネット宅
ガチャ
キィィィ
ジェームスは自分の家に帰ってきた安心感とこれからの不安で
とても複雑な心境だった。
「お前ねてないんだろ二階で寝ていたらどうだ」
「いや、いいよ」
アシュリーが隣に座った。
「ラジオでも…聞くか?」
「うんかけといて私食べ物取ってくる」
「ああ」
ジェームスはラジオをかけた
ジジーッ
(ここで臨時ニュースです。今日からアメリカで発生したバイオテロ。
ロサンゼルス記念病院では生物災害による患者が多数押し寄せており
ABOが対策を取っています。)
「結構被害が広がっているのね」
「そうみたいだな」
ドンドン!
「誰かいるのか⁉」
「まずいアシュリーABOの連中だ」
ガチャッ
ABOの隊員が押し入ってきた。
「動くな」
「腰の銃を捨てろ」
「HQ生存者を二名発見」
(連行しろ)
その瞬間横の窓から何かが現れた。
ガシャ!
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