白い残像 7

仕事は全く手につかなかった。


あまりにもすばらしいことが待っているので、何をやっても上の空で、失敗ばかりしていた。


あまりへまばかりやるので、みんな不審に思うほどであった。


「星山、どうしたんだ?少しも落ち着きがないぞ」


先輩の森本さんはそう言って、耕治の顔を不思議そうには見た。


「何かいいことでもあったのか?えらくうきうきしているじゃないか」


「何でもありませんよ」


「でも、おかしいぞ」


「何でもないんです」


耕治は逃げるようにして言った。

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