ポルカお礼小説

柳佐 凪

第1話 おおきくなってる? 835さんの話

主人公 やっさん

キーワード ポロン、ゴルビー、クロ



タイトル『おおきくなってる?』


「ポロン! ゴルビー! クロ! さあ!散歩に行くよ!」


(おいおい、またかよ、俺たち室内犬だから外に散歩なんて行かなくていいんだけどな)


(マジだりーっすよね! 部屋の中を駆け回ってるだけで、もうフラフラっすよ)


(ポロンもゴルビーも文句言わないで、やっさんは僕達のこと思ってしてくれてるんだから、付き合おうよ)



(おいおい! クロに至っては犬でもねーんだから、屋外散歩に付き合う必要もねーんだぞ)


(そーっすよ! あんた、猫っすよ)


(べ、別に付き合ったっていいんだからニャ!)



(ツンデレっぽくデレデレなこと言うなよ)


(そーっすよ!)


(でもさ、最近、やっさんちょっと様子がおかしいよね)



(それは俺も思ってた。本人に自覚はあるのかな?)


(あー疲れたっす! 休もっと!)


(あ、ズルい!)



「コラー! ゴルビー休むな! そんなことだから、どんどん太っちゃうのよ!」


(俺達、太ってはいないよなぁ?)


(そーっすね!)


(確かに、規格外にでかいと言われりゃ、否定はできないけど、言うほどないよね)



(いや、デカイってほどじゃねーよ)


(そーなんす!)


(そうだよね!)



「ほら! はりきって! イチニッイチニッ!」


(まあさ、付き合うよ、付き合うけどさー)


(ソーナンス!)


(運動すればするほど、逆効果な気がするんだけど?)



(だよな! やっさんに「これ以上はヤバいよ!」って誰か言いにいけよ)


(オレイヤっす! ごめんこうむりたいっす!)


(相変わらず、ゴルビーは自由でいいなぁ、じゃあポロン言ってきてよ)



(俺かよ! 嫌だよ! だって……)


(だってなんスカ?)


(だってなんだい?)



(やっさんがあんなに楽しそうだからさ)


(確かに)


(確かに)



「あれ? おかしいなー? 何だか、どんどんチビたちが大きくなってる気がする? 変だなぁ、ちゃんと運動してるのに……」


(やっぱり言ったほうがいいな)


(言うっす)


(やっさん、最近変だよね)



(ああ、こんなことあるんだな、びっくりだ)


(病気っすかね? もう、膝丈ぐらいっす)


(もうガマンできないニャ!!)



(あ!) 


(あ!)


――シュタッ!


(クロ!)


(クロが咥えてやっさんを持っていったっす!)



(猫の本能だからしょうがねぇよな)


(しょうがないっす、もう小鳥ぐらいのサイズ感っす)



(もっと早く教えてやればよかった。俺たちが大きくなってるんじゃなくって、やっさんが小さくなってたんだよって)

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