第3話(横綱、土俵入りであります)
ーーヨコヅーナ王国王女ミタは、カミウス、シナウス、ホモウス、3人の簡単なプロフィールが付いた写真を眺める。ミタ王女は身長178センチメートル、体重ヒミツ。今まで男に妥協したことなし。しかし、結婚を焦っていた。もう29歳だ。あとがない。
「カミウスは長身でもハゲはダメね。シナウスみたいなチビもダメ。マトモなのは三男のホモウス……。ヒール履いたら私のがデカイじゃん。やっぱ、長男のカミウス……? ダメ! ハゲはダメ! かつらを被せれば…………。ププ、笑いが止まらないわ、ププ。あっ、男にヒールを履かせれば…………あほくさ、ププ」
ミタは父であるヨコヅーナ国王に返事をしに、玉座へ行く。
「パパ、どれもダメ。カドバーン王国にマトモな男は居ないの?」
「ミタよ、外見で決めてはいかんぞ」
すると、王妃である〝ホワイト・ヨコヅーナ〟が来て提案する。
「3人の性格を調べるために、カドバーン王国へ女中を差し向けましょう。いいわね、ミタ」
「ママも乗り気なの? この縁談」
「大人の事情よ」
「逆質されたら、私の年齢を21歳と誤魔化しておいて」
それをヨコヅーナ国王はたしなめる。
「サバを…………嘘はいかんぞ。しかし、カドバーン王国との政略結婚を急がねばならん。カドバーン王国の血気盛んで、ハイパーディトゥ鋼で武装した軍隊を味方に着け、ヨコヅーナ王国のソルトオイルをホーケー民国から守らねばな」
ヨコヅーナ国王の本音は〝ミタが行き遅れになる前に使いたい〟という事、一点だ。
偵察に選ばれたのは女中ではなく、ミタ王女の弟の〝オウノ・ヨコヅーナ王子〟(24歳)に決まった。この方が、相手の奥深くまで入り込めると、ヨコヅーナ国王は考えた。
ーーオウノ王子は馬車で森を抜け、カドバーン王国を目指す。ホモウスに喰われないといいがーー
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