遠隔操作

Akira@ショートショーター

第1話

私は遠隔ヒーリングの仕事をしている

といっても私が実際に働くのではない

ヒーリング効果のあるレーザーを地域に照射するだけだ

私の商売相手は自治体なのだ

今日も自治体からの依頼が来る

「今日は大切な村おこしイベントがあるのです

そこで、ぜひともあなたのお力を貸していただきたい」

「わかりました

ではヒーリングの強度を強めてみましょう」

ヒーリングの強度は強ければ興奮作用が、弱ければ抑うつ作用があるのだ

私はこの仕事が好きだ

私の指先一つで人々の気持ちをコントロールできるなんてなんて、まるで神にでもなったような気分だからだ

当然神だからたまにのイタズラは許される

特定の地域に無意味にヒーリングマシンを向けるのだ

私は絶対に捕まらない

なぜなら日本中の警察に抑うつ作用を施しているからだ

しかし、流石は日本

警察が無能でもそもそも事件が起きない

まあそれも私が日本中を抑うつにしているからに過ぎないが

今日はどこへ照射しよう

大阪なんかへ当てて、東京への反逆心を煽るのも悪くない

ニヤニヤしていると突然部屋のドアが開いた

何事かと振り返ると拳銃を持った男たちが立っていた

「大人しくしろ

私達はFBIだ

日本の警察からの依頼を受けてお前を逮捕しに来た」

なんだって、日本の警察はいつからそんな怠惰になったのだ

自国の治安を他国の警察に任せるなど、この国はもう終わりだ

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遠隔操作 Akira@ショートショーター @akira_novelist

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