絵本の物語は、世界を広げる。扉を開くと、そこは夢の世界だった。一面の花畑。ガラスのお城。虹色の川……。そこで、彼女は、アンナは出会う。幸せで温かいはずなのだが、彼は言った。「これで僕たち、ずっと一緒にいられるね」と……。一話、一話、その扉の向こう側の世界の意味が紐解かれて行き……。そして、最後は衝撃と納得のいく結末を迎えるのです。読者全員が必ず「納得する」であろう、物語。アンナの運命が大きく変わった世界。ぜひご覧ください!
テンポはややスローな印象で、伏線の回収が上手くて特筆される。二人の距離感がベストバランスで描かれている。高い構成力が文章を良好に手伝っている。 僕は絵本といえばクマさんというイメージがありますが、姉から貰ったヌイグルミを大切にしていました。でも、何処にやったかな?
夢にまで見た絵本の中の世界。主人公のアンナはそこで、自分に優しく接してくれる男の子に会います。幸せに満たされるアンナ。でも、なぜなんだろう。彼の目は時々、冷たく輝くのです。***赤頭巾やシンデレラ。誰もが子供の頃に出会う童話のように、華やかさの中にどこか厳しく残酷な雰囲気が感じられる作品です。そして終幕に明かされるその理由。こんな不思議で切ない読後感、なんだか久しぶりでした。たなびく余韻も心地いい!お勧めです!