呪われたカエル王子は姫君を絶っっ対にあきらめません!!
清泉 四季
登場人物紹介・プロローグ
アルバート………呪いでカエルにされていた王子。ソフィア姫が呪いを解いて、人
間に戻してくれた。17歳の黒髪黒目男子。金髪碧眼男が苦手。
ソフィア…………眠りの呪いをかけられていたが、アルバートによって呪いは解か
れた。18歳のプラチナブロンドで水色の瞳の姫君。
ロアン……………ソフィアの従者。魔法使いだが魔力は少ない。呪いを解く旅の中
で代償を払い、日の出から日没までは男性、日没から日の出まで
は女性の体にしてもらう。30歳だったが25年の寿命を代償として
払っているので実質55歳。銀髪と銀の瞳。
女性のときはロアーナと名乗っている。
プロローグ
『あなたは自分が一番幸せになれる運命の相手にすでに出会っている。
あとは手に入れるだけ。
しかし世の中には運命の相手に出会っていながら、手に入れられなかった人のなんと多いことか。
絶対にあきらめてはいけない――。』
僕は呪いによってカエル王子にされていた、アルバート。
僕の呪いを解いてくれたのはソフィアで、彼女の眠りの呪いを解いたのは僕。
こうして僕とソフィアは運命の相手として結婚することになっている。
なってはいるが、ソフィアの父の王様が次から次へと呪いを解いてほしいという面倒な依頼をしてきて、結婚話が全然前に進んでいない。
今回も僕とソフィアと従者のロアンの三人でソフィアの母、王妃様の実家の国にかけられた呪いを解くために旅に出ている。
初めは一刻も早く呪いを解くために馬で疾走しようとしたが、僕の乗馬技術が今一つだったのと、ソフィアが結婚したら旅に出ることなんてできなくなるからゆっくり行こうと提案したため街道を馬でのんびりと進んで行く。
季節はすっかり秋で、周りの木々は赤や黄色に紅葉して落ち葉が道に舞う。
呪いのことがなければ、とてもロマンチックなんだけどな。
「そういえばロアン、体の調子は大丈夫かい?」
「アルバート様、ご心配いただきありがとうございます。いつ眠るのかが問題でしたがこの体にもだいぶ慣れました。外見はそのままで、いきなり25年分老けなくてよかったです。」
銀の瞳で嬉しそうに微笑むロアンは、ソフィアの従者だが僕は兄、いや、姉のように慕っていて頼りにしている。
もともとロアンは30歳男性(心は乙女)だったが、前回の旅で25年分の寿命を代償として払い、日中は男性、夜は女性の体を手に入れた。本当はずっと女性になりたかったそうだが、そうなるとさらに25年分の寿命を代償にしなければならず、明日をも知れない命になってしまう。そこで半分だけ女性にしてもらったというわけ。
ロアンは今、昼はソフィアの従者をし、夜はロアーナとして出席可能な夜会に出まくっているらしい。
「
ソフィアはプラチナブロンドの髪を後ろで一つにくくり、長い三つ編みにしている。動きやすい青い旅装束が似合っている。僕と初めて出会った時と同じ服装。
「姫様、ご存じのように私の守備範囲は30歳プラスマイナス5歳ですので、そのあたりの貴族の男なら100%遊びです。今のところ、連戦連勝ですよ。フフフ。」
女性のときのロアーナは30歳の円熟した美貌で、心の兄としたっていなければ僕でも危なくよろめきそうになるほど。
「楽しそうだな、それならよかった。」
「アルバート様、乗馬姿が板についてきましたね。さすがです。」
「習ったり練習したりした記憶はないんだけど、なんか体が覚えてたっていう感じかな。ダンスのときもそうだったけど。あっ、城がみえてきたよ。」
「さあ着きました。目的地はあれです。昨夜の雨で落ち葉が濡れています。姫様、馬から降りるときには足元にお気をつけください。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます