最高の悪戯
僕の隣にはキミがいる。しかし、キミの隣には誰がいるんだろうか。僕は気紛れに答えが欲しくなって、キミに問い掛けたんだ。するとキミはこう答えたね。
「あなたの隣に私がいるなら私の隣にあなたがいるのは至極当然のことでしょう」
ああなるほど。疑う余地も無い。しかしもうひとつ聞きたい。僕の瞳に映るキミは僕を見つめているけど、キミは一体何を見つめているのかな。
「あなたの瞳にあなたを見つめる私が映っているのなら私はあなたを見つめていることになるでしょう」
淀みなく言うキミの言葉はなるほど真実だ。
けれど僕は知ってるんだ。キミは僕の隣にはいないし、キミの瞳は僕を映していない。
「こうすれはもっと近くに感じるでしょう」
それでもキミは悪戯をやめないんだね。僕が気付いていることに気付いているだろうに。
「ほら」
いい気分だよ、くそったれ。
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