一人暮らしで出会う恐怖
大学入学と同時に一人暮らしを始めて4か月。
夏休みに入り毎日部活やバイトや遊びに精を出していた。
最初は不安だった食事も肉や野菜を焼くだけのものから、今では少し手の込んだものを作れるようになってきた。
料理を作る楽しさを知って、いろいろな料理に挑戦しては試行錯誤を重ねていた。
一人暮らしの大変さと実家のありがたさを改めて感じながらも、今を楽しんでいたころに、その事件は起こった。
ある日の夜、バイトから帰ったあとにすぐに寝るため、先日作ったカレーで腹を満たし眠りについた。
疲れが出たのかその時はあっという間に眠りに落ちる。
深夜。
腹の違和感で目を覚ます。
あおむけで寝ていたが、何か重いものがおなかに乗っているような、そんな感覚。
突然のことで驚くも、時間をみようとスマホを探そうとする。
「ぐうぅっ」
その瞬間、腹の違和感は腹痛となり全身を襲う。
痛さのため力が入らず身動きが取れなくなる。
意識がはっきりとなったが、状況が分からず混乱するばかり。
周りは暗く、しかし、腹に”なにか”があることは分かる。
それでも、這う這うの体でベッドから抜け出し、トイレへと向かう。
何か見えないものに包まれているかのように動きは遅い。
吐き気を我慢しながらも数mの長い距離を歩き、扉を開ける。
その後、この若者がどうなったかは分からない。
漏れ伝え聞くところによると、しばらくの間トイレから出ることのできない体となったらしい。
食中毒で運ばれた患者は全国で16464人になるそうです。(平成30年 厚生労働省)
症状として下痢、嘔吐、腹痛、発熱があります。というかありました。
恐ろしい話です。皆様もお気を付けください。
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