公園で出会う恐怖

そろそろ夏休みも終わろうかという頃、その大学生は公園で休んでいた。

朝から友人と一緒に遊び、昼になり疲れたところで家に帰ろうとした時だった。

昔遊んでいた公園を通りがかり、休憩でもしようかと立ち寄った。

公園のベンチで座っていると懐かしさと同時に1つの思い出がよみがえる。


それはこの公園で友人と遊んでいたときだ。

どこかのベンチで、自分は腰掛けて、友人は立ちながら何かを話ししていた。

ふと気づくと公園の端の方から白いワンピースを着た女性がこちらへと歩いてくるのが見えた。

何か不気味さを感じたがその女性から目を離せない。

それでも近づいてくる女性。

気味が悪い、悪寒が走る、怖気を知る、そんな言葉は知らなかったけれどその危険を知ることができた。

と、そのとき友人が声をかけた。

声がした方向を見ると友人が心配した顔で見ていた。

もう一度女性の方を見ると誰もいなかった。

あれはいったい何だったのだろう。


思い出から帰ってくると、まさに今、自分が座っているのがそのときのベンチであることに気付く。

そして、公園の端に目を向けてみれば、いた。

昔と同じ白いワンピースを着た女性が陽炎の向こうから、ゆらゆらと近づいて来ているではないか。

呼吸は浅くなり、視界が定まらない。

体からは限界まで汗があふれている。

声をかけてくれる友人はいない。

そして、視界がどんどんと狭まり、意識が……


熱中症で救急搬送された人は7万1266人。

亡くなられた方は138人。(2018 総務省)

屋内にいても熱中症にかかることがあります。

最大限の予防をしていても、気が付いたときには身動きが取れなくなっているときもあります。

恐ろしい話です。皆様もお気を付けください。

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