神をも恐れぬ全知の錬金術師【アカシックパーフェクトレコーダー】ですが、ヤンキーデレでヤンデレでして……。

わんこ紳士

はじめに……いや、蛇足から語ろう

『アカシックレコード』

 それは、過去・現在・未来に関わらず、全てのしょうや感情・思考までもが記録されている情報の集合体である。

 近代しん学のそうしゃであり、しん学協会のブラヴァツキーの言葉『アーカーシャ』がげんとされ、後にこれを、ブラヴァツキー当人やじん学のシュタイナーが、名称を『アカシックレコード』と定着させた。そして、この名称を世に広めたのは、心霊治療で有名なケイシーであった。

 さらに付け加えるならば、心理学者ユングの『集合的無意識』と同視されており、『神のげん記録』や『神の図書館』とも呼ばれ、現代においては『全てを記録するスーパーコンピュータ』と考えられている。


 とは言え、世間一般常識としては、オカルトの枠内で止まっているのは事実であり、それに対しては、「まあ、人間程度の科学的高度など、たかが知れているから、仕方が無い」としか、言い様が無い。

 何故なら――アカシックレコードへのアクセスを実現したとされる――先に挙げた偉人達でさえ、ごくわすかな断片に触れただけに過ぎないのだ。

 そもそも、人間程度の存在には、扱い切れない代物であり、ブラックボックスである部分が多過ぎて、人間の理解に対する容量をかるくオーバーしてしまう。

 しかも、断片に触れただけでも、人間の脳への負担は多大なものとなる為、その大半が(精神疾患を発症する等)を生じる。酷い時には死の洗礼を受ける場合もある。


 ここで、実例じつれいを挙げるとしよう。


 アカシックレコードにアクセスし、未来を予言出来るという少年が居た。しかし、ある日、人体発火現象により死んだ。まるで、かなりの高温で、一瞬にして焼かれたか様であったという。

 どうやら、あまりにも強烈でリアルな情報に、脳が錯覚さっかくを起こし、身体にまで影響を与えてしまったらしい。それにしても、一体、というのであろうか。


 さて、アカシックレコードによる危険性の一例を挙げたが、アカシックレコードへのアクセスが、人間に対し、負の結果しか生まないという訳ではない。それは、世の天才達のひらめきにいんしているからである。


 これも実例じつれいを挙げるとしよう。


 エジソンが電球を発明した(パクリ疑惑もあるが)同時期に、実は、同じ仕組みを発明していた人物が、何人か居たのである。

 これは、アカシックレコードのごくわずかな情報を、同時期に複数人がキャッチした結果、起きた事例じれいであり、こういった出来事は、他にも起きている。


 さて、アカシックレコードが、どの様なもので、近代の人間達の歴史にどの様に関わって来たかを語り、如何いかに危険で、人類の文明に多大なる影響をもたらしていたかを語って来たが――までの文章は、言ってみれば、蛇足だそくに過ぎない。

 趣旨しゅしは、『アカシックレコードの全情報を以てすれば、神と同等、いや、それ以上にもなれる』である。

 チープで駄文だぶんな言い回しではあるが――れから語るは、「アカシックレコードをも掌握しょうあくし、多大な情報量に耐える事が出来る、言わば『アカシックパーフェクトレコーダー』と呼ばれる、絶対無敵で可愛い女の子の錬金術師が、ヤンキーデレな上にヤンデレ過ぎて、神さえも倒してしまう物語」なのだから……。

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