みかん狩り 10

西成職安の前にマイクロバスが早朝から並ぶ。


手配師の呼び込みに応じて、アンコはそれぞれお気に入りのバスに乗り込む。


僕も職安のまわりで、朝食に暖かいダンゴ汁を食べると、急いでバスに乗り込んだ。


そんな日が10日ばかり続いたある日、なじみの手配師が僕に言った。


「村上、うちの飯場に来ないか?そうすりゃ、ドヤ代もいらないぞ」

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