みかん狩り 5

バスは和歌山自動車道を走っていた。


和歌山に近づくにつれ、たくさんのミカンの木が見えて来た。


バスを降りるとすぐ、ミカン園だった。


ミカンの木は低い。


手で簡単にもぎ取ることが出来る。


ミカンの木だけでなく、夏ミカンも植えられていた。


みかんをもぎ取っているうちに手のひらが黄色になった。


昼になったので、僕はとし美と一緒に、皆の弁当とお茶をバスから下ろし配った。


僕の周りには組合の幹部達がいた。


弁当を食べながら、青年婦人部を運営するために、これからどんなことをすればいいか話し合われた。


ゲームが行われた。


男子と女子と交互に並んで、割り箸を口にくわえてその先に輪ゴムを引っ掛け、隣の人に輪ゴムを渡していくというものである。


僕はそばに立って男女が異常接近するのを見ていた。


すると、仕上げ係の小山という女の子がそばに来た。


彼女は明るくて、誰にも好かれるタイプである。


彼女はいきなり僕に抱きついて来た。


彼女の弾むような柔らかな身体の感触を僕は感じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る