人肉工場

Akira@ショートショーター

第1話

私は人肉を生産、販売する会社を経営している

22世紀、未曾有の食糧難で人肉も食肉として認められたのだ

ドラゴン○ールで見たことあるだろう、あんな感じの培養液の中に入れて育てるのだ

培養液の中に入れている限り、感染症の心配もない

短いサイクルで、安定して生産できるので、我が社はとても儲かっていた

「まったく、こんな楽な仕事があっていいものか

培養液の中に受精卵を突っ込むだけでわずか3ヶ月で食肉に適した頃まで育つのだからな

カニバリズムは昔からあったが、あれは栄養を摂取する面でも正しかったのだ

本来動物が同じ種族のものを食うのは、獲物の体のほぼ全てがそのまま自分の体の養分となるからだ

栄養の観点から言って、これほどまでに効率のいい食事があるだろうか」

しかし、会社を創設して20年、徐々に綻びが出てきた

人肉を食べたものの成長が著しく早く、子供は著しい成長を見せ、大人はすぐ老化と、好まざる影響が発見されたのだ

「ふむ、どうしたものか

子供が早く成長し、大人はすぐに老化する

このデメリットを利用してなにかできないものか

そうだ売春業に手を出すか

世の中にはロリコンが多い

体だけ大人で中身は子供という商品は奴らの格好の餌になるだろう」

みなさん、人を人肉として売りさばいたり、売春を斡旋したりして大丈夫なのかとお思いだろう

大丈夫だ

なぜならこの社長、もとは科学者、それもマッドサイエンティストと呼ばれるたぐいのもので、ある実験により自分以外の国民を皆殺してしまったのだ

そしてその現実から目を背けるため、ドラッグを絶やすことなく自らに摂取させる装置を作り、今は幻覚の中で生きているのだから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人肉工場 Akira@ショートショーター @akira_novelist

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る