第2話

僕は写真部に所属している。部員は5人、少ないけどこのくらいがいいと思う。葉っぱが赤く色づき始めたから、毎年12月に行われる写真展に向けて、皆シャッターを切り続けている。

その写真展では、1人3枚まで飾ることができる。またそれぞれの写真の下に封筒を置き、感想を入れれるようにしてある。これがまた結構しんどかったりする。『こんな写真誰でも撮れる』だの、『なにを伝えたいかわからない』だの…。でも反対に褒められると素直に嬉しい。自分の感性は間違ってはいないんだって自信がつく。

僕は今回、赤く色づいた紅葉の浮かぶ池にかかっている橋を撮ることにした。すこし錆の生えた風情のある景色を。


風が吹く。葉が舞う。まだ緑だったり黄色だったり。僕は春よりも秋のが好きで、サクラよりもモミジやイチョウの方が好きだ。だってサクラはピンクとか白とか一色じゃないか。色づき始めた葉ほど綺麗なものはない。真っ赤に色づいたモミジほど心を揺るがされるものはない。舞い散った葉を踏んだ時のあの音がたまらない。管理人さんがほうきで掃いたあの葉の山が恋しい。


僕は秋を求めている。秋に僕は求められているのだろうか。


そんなことを考えながら僕は夢中でシャッターを切り続けた。

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