空中歩行とシャレこもうか
ドチャ
血の雨を降らせていたゴブリンがバランスを崩し倒れた音だ。
「さて、どうすっかな」
ゴブリンの血のシャワーを浴びて全身真っ赤に染まっていた。
ゴブリンとの戦闘は時間にして十数秒程だったのだが軽く身体を動かしたをしたせいか、ぐぅ~っと腹の音が鳴る。
取り敢えず手に持っていた短剣をしまい、
ゴブリンが消えた。
否、アイテムボックスに入れただけだ。
(アイテムボックスの中に死体は入るからこいつは転んだ時、打ち所悪く即死したのか…)
転んだゴブリンが手に持っていたモルモットのような小動物の死体を手に取った。
(今こいつを調理する道具も無ければ火のおこす道具も無いからアイテムボックスに入れとくか)
アイテムボックスに小動物を保存し
「空でも行くか...。高いとこからなら遠くが見えて人がいそうなとこがわかるかもしんないし」
そう独り言をつぶやきがら、アイテムボックスを地面から20センチ程の高さに出し、片足をアイテムボックスの入り口に足を掛けた。
ーアイテムボックスー
と説明したがその弾く以外のこともできる。
基本的に何も意識しなければ弾くのだが意識すればアイテムボックスの入り口をコンクリートのように固くし、物を
更にはその応用として入り口から入ろうとする物質の
これもアイテムボックスの中に物が入らない状態になるからである。
そしてアイテムボックスの出現位置は手元にしか出せない訳ではない。
座標をしてやれば先の戦闘で使ったように腕の中に突っ込んだ状態に出現させることもできるし、足元にも出現させることもできる。
少し離れた所のアイテムを回収する際、わざわざしゃがまなくてもいいように。ゴブリンを回収した時がそうだ。
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話を戻そう。
つまり、空中にあるアイテムボックスの入り口の上に乗っかることができる。
そして、自分の足を弾く。5、6メートル程
木々を越え、さらに駆け上がり、上空100メートル程まで上がった所でアイテムボックスの上に着地する。
「ひえー、さすがに怖いなー。調子に乗って上がりすぎたな。」
下を見てタマヒュンした感想だ。
「まあでも、ここまで来れば結構遠くまで見えるな。」
顔を上げると広大な自然が広がっていた。下は緑溢れる木々たちが、遠くの方にエベレスト山脈のようなデカイ山があり、その山の反対方向に街が見える。その街の周りは外壁に囲まれており、中央に城らしき物が見える。
「あれは…城か?ってか、街から離れた所にある丘、なんかキラキラ光ってね?」
アイテムボックスを前方の足元に出し、歩き始める。途中で川か湖がないか探しながら丘の方へ向かう。
(あー、ゴブリンの血、早く落としてー)
ーアイテムボックスー
両手で同時にアイテムを取り出す時、右手側と左手側にアイテムボックスを出すことができる。
(双剣や弓(と矢)、剣と盾などアイテムボックスを2ヶ所同時に出現させないと使い勝手が悪くなるため?)
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