トーテムポールとナイチンゲール

@student1

プロローグ

「ああー…何で学校なんて行かなきゃ行けないんだよ」

「この学校の生徒だからだ」

澤部とのお決まりの会話。いわゆる日課ってやつだ。

2人の間では「おはよう」とほぼ同じ意味を持つ。

俺は、つい3ヶ月ほど前この学校にかいがいから転校してきたのだが、友達なんて作ってもいつか別れるのだから必要ない。さらに親密になればなるほど別れが苦しくなるのだからむしろ作らない方がいい。という考え方のせいでほとんど誰とも話していないし話せていないが何故か澤部だけは、そっけない返事しかしない俺に頻繁に話かけてくる。

「友達なんて必要ない。メリットがない」

と出会って間もない頃、澤部に言った結果

「忘れ物しても貸し合えるだろ。俺も友達いないうえに忘れ物多いからシャーペンの上の消しゴムがピンチなんだ。俺には村山が必要だ」

というよくわからない回答が返ってきた。

しかも、その数秒後には「井上ー 鉛筆一本貸してくれない?」

などと言っているものだから呆れるほかない。


せめてそこは俺に言えよ。

なんてことのないありふれた日常。

永遠に続くなどとは、思っていたわけではないがそれは想像以上に早く終わりを告げた。



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