黒きシンデレラに誘われて

穂志上ケイ

序章

 ある日妙な噂が流れ出した。『黒いシンデレラ』があちこちで現れると。

 彼女は黒いドレスを着たとても綺麗な姿をしていたと。

 そして、毎晩二人から三人シンデレラに招待され、次の日には遺体で発見される。招待された者は自分意志とは関係なく、突然家を出ていくのだとか。招待される場所は毎回違い、本人以外知ることは出来ない。だから、遺体が見つかるまでにどうしても時間んがかかってしまい、死因が分からなくなってしまう。

 ようやく、警察が動き出したのだが、招待者は無作為に抽出されるため特定は出来ない。つまり、対処出来ない事案になっていたのだ。




 ◼◼◼

『ニュースをお伝えします。またも「黒きシンデレラ」の犠牲者が出てしまいました。今回は二十代夫婦です。誠に悲惨な出来事です。』


 毎日テレビをつけるとこんな感じのニュースがいつも流れる。全く犯人は何がしたいんだ。


 おっと。もう学校に行かなければ。




 ◼◼◼

「おはよう。ケイ」

「ああ、おはよう。佑真」


 こいつは私の友達、御坂佑真みさかゆうま人当たりがよく、クラス皆の人気者だ。


「なぁ、あのニュース見たか?例のシンデレラ」

「ああ、見たよ。朝からやめてほしいよ。あんなの」

「ホントにな。でも、ケイも気を付けろよ。いつ招待されるかわかんねー訳だし」


 そう。今生きている俺たちはいつシンデレラに招待され、殺されるか分からない。だから、今を大切に生きなければ。


「そうだな。佑真も気を付けろよ」

「ありがとよ」


 そんな他愛もない会話を終え、授業の準備をし始めていると、机の中に黒い封筒があった。


 封筒を開けるとそこにはこう記されていた。



 拝啓 穂志上ケイ様


 貴方様は今夜の『黒きパーティー』に招待されました。場所は貴方様の通う学園で御社おやしろ学園で行います。時間は明日の午後7時からです。もし、来る気がない場合は貴方様の意志と関係なく連行致しますので、ご了承ください。

 それではお待ちしています。


 敬具 黒きシンデレラ


 私を招待するとはそんなに私を殺したいのか?シンデレラさんよ。




─────────────────────────────────────

この度は『黒きシンデレラに誘われて』を読んでいただきありがとうございます。今回も有賀先生とのコラボです。掲載場所はなろうとカクヨムの2つで行っています。主人公視点や少し話が違ったりしているのでそちらもよろしくお願いします!

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