第9話

姫城さんと出かけて、俺の周りで変わった事がいくつかある

一つ目は、俺と姫城さんが付き合っているという噂

たまたま同級生が一緒にいる所を見てもしかしたら付き合っているのでは?と考えたらしい

実際はそんな事有り得ないと考えたらわかりそうだけどなぁ



二つ目は壮介がやたらと姫城さんの事について聞いてくるので、何もなかったよと言ったら驚かれた

別に驚く程の事でもないと思うが、俺はあくまで一友人として姫城さんに関わっていくし多分これからも変わらないと思う




そして、ここからが問題なんだが最近俺の私物がよく無くなるのだ

最初は忘れただけかと思っていたが、明らかにあったものがなくなっている

例えば、体操服が新品に変えられていたり、使っていた割り箸が家に帰ると消えていたり、机の上にあったものがなくなっていたりなど、誰かが取っていないとそんな事にはならないと思う

さすがに、物忘れが酷くなっていたとしたらどうしようもないがそうでない限りは絶対にとられている

また、常に視線を感じる事が多くなり、それが家でも続くようになった

誰かに恨まれるような事をした覚えもないし、正直なところ俺の思い過ごしということもある





そして、これはあんまり関係ないと思うが、あの日以外姫城さんと話してないのだ

避けられているとは思わないが、話そうとしたらいつのまにか消えているのだ

俺としては良い友人としてしっかりと交友を深めていきたいと思っているのだが...

やっぱり、学校で学園のアイドルと話をするのは難しいということだろう



















「おーい、仁!聞いてんのか?」

「悪い、ボーッとしてたわ」

「お前最近ずっと考え事してるよな?

何かあったのか?」

「何かって程じゃないけど、物忘れとかが酷くてな」

「仁もじいちゃんになったなぁ」

「俺はまだ16歳だよ!って壮介、なんか視線感じないか?」

「いや、特になんもないけどなぁ」

またこの違和感だ

そもそも俺を見てる人なんていないと思うけどなぁ

マジで、心の病気になったか、俺?





キーンコーンカーンコーン

「仁、帰ろうぜ!」

「壮介、今行く!」




あれ、下駄箱に何か入ってないか?

手紙だよな?もしかして、ラブレターか!

俺にもやっと春が来るのか!?



「仁何やってんだよってお前それラブレターか!!!」

「バッカ!!お前声でけーよ!こういうのは慎重にだな」

「アホか!早く見るぞ!!」

「なんでお前が楽しそうなんだよ」


まぁ言い合っててもきりがないし見てみるか












「沢村仁君へ

私はあなたの事が好きです

あなたを見るだけで嬉しくなります

あなたの近くにいるだけで胸がドキドキします

あなたの匂いを嗅ぐだけで幸せになれます

私たちの心は通じ合っていると思うけど、こうして文章に残しておきたくなっちゃった

私って心配症だよね

でもね、心配症にさせてるのも仁君のせいなんだよ?

仁君が私をこんなに夢中にさせるから私も我慢できなくなっちゃうんだよ?

でも、仁君がこの手紙を読んで気持ちの整理と引っ越しの準備ができたら私に言ってね

でも、期間が空くと仁君も私の成分がなくなって不安になると思うの

私は仁君の物いっぱい持ってらから大丈夫だけど、仁君は何も持ってなかったよね?

だから私の髪の毛と唾液を入れておくからしばらくそれで我慢してね?

大丈夫だよ、すぐに迎えに行くから........」







とりあえずわかった事は知らないうちにヤバイ事になってるってだけだな......






え、これどうしたらいいの?











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