第8話

「ごめん!待たせたかな?」

「ううん、全然待ってないよ、私も今来たところだから」

待たせないように30分前に来たのにもういるなんて、姫城さん速いなぁ

「じゃあ今から映画観に行かない?」

「いいよ!姫城さんは何か見たいのある?」

「私は君と過ごす365日っていう映画観たいけどいいかな?」

「結構面白くて評判のやつだよね、俺も見てみたいしいいよ!」

「じゃあ早速行こ!ほら沢村君!はやくはやく!」





急かされるように映画館に行くとそこには休日ということもあり人で混んでいた

やっぱりみんな考えることは一緒だなぁとか思いつつなんとかして姫城さんをエスコートできるように頑張ろうと気持ちを入れ直しながら館内に入っていった



「沢村君!この映画のヒロインの子可愛くない?」

「確か沖村 空乃って子だよな、最近人気のアイドルで結構ドラマとかも出てたよね?」

「そうなの!その演技にハマっちゃって、だから今回も観に来るの楽しみにしてたの!」

まさか姫城さんがこんなにアイドルが好きだとは思わなかったなぁ〜、意外な一面が見れてよかったぁ〜

話してる間にもうこんな時間になってたのか、

「そろそろ会場に行こっか」

「うん!楽しみだね!」




映画の内容自体はどこにでもあるような、主人公とヒロインが出会い、一緒に病気と闘いながら残された一年を過ごしていくという内容だったが、役者の人達の演技が凄く上手く内容に見入ってしまった




「いやぁ〜、ものすごく良かったなぁ〜」

「やっぱり空乃ちゃんは演技上手いね〜、私もあんな風に可愛かったらな〜」

「姫城さんは今のままでも十分可愛いでしょ」

「えっ!そ、そうかな」(ボソッ)

「うん、まぁ俺がこんな上から言えないけどね」

「そんな事ないよ!」

「えっ」

「だって沢村君は...」

もしかしてこれって告白されるのか?

あの姫城さんに?普通に考えたらそんな事有り得ないけど、でも、こんなに良い雰囲気だからもしかしたらもしかするよな?

期待しても良いよな?












「私を助けてくれた恩人だから私は尊敬もしてるし人柄もいいし好きだよ」

「えっ、それって...」

「あっ!そのもちろん人としてだからね、その、へ、変な意味の好きではないから!!」




......やっぱりそうだよな.......

あの姫城さんに俺が告白されるとかそんなのないに決まってるだろ...

感謝はされると思うけど姫城さんにとって俺は恩人でありそれ以上でもそれ以下でもないんだ...

それにこんな感情で姫城さんと話すのも姫城さんに失礼ってもんだろ

そう、もう変な事は考えるな、姫城さんの友達としてこれから付き合っていけば良いんだ



「俺も姫城さんの事、人として好きだよ」














「えっ、今のって」(ボソッ)




「どうした?」

「えっ、いやっ、なんでもないよ!それと私用事がある事忘れてたみたい!沢村君ごめんね!もういかないといけないから!」

「姫城さん!?、ってもう行っちゃったよ...」

まぁ俺もどう言う風にすればいいかわかったし今度からはしっかり友人として仲良くするように頑張ろう!




























「えへへ、沢村君に告白されちゃった、私も好きだよ...沢村君、だからもう私以外は見ないで、私だけのものでいて.....

大好きだよ、仁君.....」

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