ロスト・ブレイバー・ストーリーズ

竜騎士バルヴァン・ディガルド

さぁ、王。お手を。

出発の準備は整っております。

かの竜が目を覚ましてしまったならば、我々ができることは多くありません。

「しかし、ディガルド…」

良いのです。ご存知のとおり、これが竜騎士その仕事でありますから。

ただあなた方を、この国の人間を1人でも多く生かし、国を続けていただくのがその使命であります。

我々は、まだ十分ではありません。

おそらくここで私は散るでしょう。

手塩にかけた部下たちも共に逝くことになるでしょう。

それでも、我々が生きたのは国を生かすためなのです。

人間の、命と歴史を繋ぐためなのです。

竜騎士、竜の一族の力によって、新天地において新たな国を築いてください。

千年の永く平和な国を築いてください。

民と共に、喜び笑い合う国を築いてください。

さすればまた、我々はそこにあります。いつでもいつまでも、諦めが悪いのが我々でありますから。

「ああだがディガルド…すまぬ。お前たちのことを、語り継ぐことしか出来ない王を許せ。そして頼むぞ、この国と、我々の、未来を」

承知しました。

さあ、出発なさってください。

先に待つ民のために。

我らもこれより、竜の元へと向かいます。

皆、よく聞け！

竜騎士として生き、竜騎士として死ぬ。

その使命を全うするため日々精進し、日々呑んで食い、日々笑い明かした。

今が運命のときならば、胸を張り立ち向かわせてもらう。

この世の脅威よ、底知れぬ恐怖よ、相対するは竜騎士バルヴァン・ディガルド

その鱗にとくと刻め！

この国を守る人間の強さを！

己が知らぬ天敵の力を！

いざ、散るがいい！

皆の者、行くぞ！！

ウォーー！！！