幻想すら守れないのか?
古新野 ま~ち
第1話
物凄く甘々なことを書いています。胸焼け注意。
北海道の方で安倍総理が演説していたところ、「安倍やめろ」とヤジを入れた市民が警察に引っ捕らえられてしまうということがあったそう。警察がそんなことをしたのかと呆れたけれど、想定していなかったくらい程度の悪いことが起きたというのにも関わらず、信じられないといった感想がわかなかった。それどころか、起こるべくして起きたんだという納得ができてしまった。
偶然、似たタイミングで安倍政権の批判をした遊戯王の作者が遊戯王の絵を使って現政権を売国だと罵ったことに多少の批判があり、謝罪したそう。私自身は遊戯王はアニメを数話観たくらいで原作を読んでいない。それほど思い入れはないけれど、作者が謝罪したことは残念に思いました。思ったものの、これも、納得できる落とし所だと思ってしまった。
程度の差こそあれ、これらのことを納得できてしまった自分について、明確に悔しいと感じた。どうして、安倍ごときを、たかだか内閣総理大臣ごときを批判しただけで暴力装置である警察に囲まれたり、謝罪させられたりしている人を見て納得してしまったのか、その論理が私の頭の中にあることが悔しくてたまらない(遊戯王の作者に関しては、その謝罪も含めて今の世の中の一部を可視化したといえるのかもしれません)。
批判くらいなら誰だってしてもいいはずなんです。とくに政権のやることになら、文句の一つや二つあってもおかしくないでしょう。警察に止められる筋合いがあるはずない。ここまで私は、当たり前のことを言っているつもりです。
異常なことを言っている人を見かけました。肩書きは警察OB、その内容は『警察が政治的に中立なんて幻想』。そのことは、きっと事実なんだと思います。安倍やめろで警察は一個人を引っ捕らえてしまうけれど、例えば在日外国人にたいするヘイトスピーチの犯人は引っ捕らえられることがない。まぁ、彼らの職務規定などでそのような対応しかできないということなのでしょうけれど。本当に、警察が政治的に中立であることが幻想なんだとしたら、日本人の国家公務員は、その程度の幻想も守ることができない連中だということでしょう。
スピリチュアルめいたことを書きますが、ありとあらゆることは幻想なんだと思います。私が幻想の代表例として思い付くのが、お金です。現代の通貨が金本位制なわけはなく、その国の経済や政府の信用で成り立っていて、なにかあれば暴落するということは残念ながらよくあることです。変なことを書きますけれど、1万円札に1万円の価値があるのは皆が認めているからです。それで十分だと思います。
基本的人権などもそうだと思います。世界中の人々は、生まれなど関係なく、等しい権利を持っているため生命や財産が脅かされてはならないんだとしている。どうして人を殺してはいけないかと議論をふっかけてきたサイコパスになりたがっている同級生のことを思い出します。彼いわく、日本の法に照らし合わせれば殺人をしてはならないと書いていないとのことです。殺人をしたらこのような罰があると明記してるに過ぎないとのことです。
こういう問いかけに、私は何かの意味が生じるとは思えませんし、彼と私ではたぶんよって立つ幻想が違うから何を言っても通じないので諦めました。ちなみに私がとりあえず文章で説明できる殺人をしてはならない理由は、法に書いてる書いていないではなく、基本的人権は他人に殺されるなんてあってはならないということも含んでいるので、それは前提のことなんだと思っているからです。もちろん、私はこう考えているに過ぎないだけなので他の人は他の人なりの答えがあるでしょう。何が言いたいかといえば、世界の前提条件を無視して、日本のローカルルールには書いていないと騒ぎ立てる人とは、信じている幻想が違うからです。(しかし何を信じていようとそれは自由です。)
このように、様々な幻想に生かされていると私は考えています。頭のいい人はもっと上手く言うでしょう。話を戻すと、警察権力は政治的に中立というのは幻想ということを警察OBが言っていたのは、もしかすれば皮肉の意味もあったのでしょう。警察やその関係者それぞれにも言い分はあると思います。それでも、彼らがどんな気分になるかへの想像力は一旦麻痺させた上で、無責任に放言します。それくらいの幻想も守れないなら、今すぐ辞めていただきたい。私は私自身を野蛮な国にすんでいる野蛮の獣だと思っていますが、私を含めて国民全員が建前くらいは守れる程度の野蛮人でなければ生命的に困ります。政権批判は市民なら誰でもする前提だと思います。前提を無視した警察に引っ捕らえられたり有象無象に謝罪に追い込まれたりなどあってはならないと考えています。どうか、私の幻想を壊さないでいただきたいです。
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