宿りし、能力




いつの間にか、記憶も 失くし、悪天候のためか

嵐に打たれ…。


そこだけは、覚えているん だ。



あとは、名前と  俺に 宿った、能力のこと。





俺の名は……。


蘭  隼人


【アララギ  ハヤト】





能力は。


好きな、瞬間に いつでも

肉体から、脱け出せること。



すなわち、幽体離脱を 自在に操ることが

出来るんだな、俺は。




ふ …とした、 状態で

その能力には  気づいたのだ。








回想。



波打ち際ではなく、 俺は、孤島の

生い茂っている、樹海の中で 目覚めた。





「…ここは?!」





不思議なことに、俺の 身体は 真っ白だった。  不意に、感じて辺りを見渡す。




どうやら、この身体は  何かの、頭蓋骨の様な 体型らしい。




と…!いう事は

俺は 頭蓋骨の…。


まさかな、そんなわけ…。




最初 は  そう思って  いたんだけどな…。





この、奇妙な 体験のお陰で  信じられずには

いられなくなって しまったのだ。






俺の、肉体は…?!


一体、どこへ?あるのだろう…。





なんで?急に…。


頭蓋骨の中にいるのだろう…。



俺は …死んだのか?



何が?どうなっているのか?  が解らなかった。







< まだ 、…生きたかった

あの日、こうしていれば… >





「 ?!誰かの声がする  」



なんだ?!



…ひょっとして?  この、頭蓋骨の…。


だ …としたら、気味が悪いな。




脱け出したく なった俺は  必死で 叫んだ!!!っ



「 あぁあ”ぁあ!!!  戻りてぇ!  」






「! 」…。





!信じられないことに…

俺は、波打ち際で 再び、目覚めたのだ。






「?!!!」





耳を くすぐる、ような 波の静かな、 音。



ちょっと、耳障りな 鳥の声…。




我に返った、俺は 今後の事を 考えていた。


まずは、洞窟を みつけて釣竿を 作ろう。


それから……。



果物 か、何か  食べられる、木の実を

確保した い。



水分も……。





…ああ、なんて  虚しい、ひとりだけの


無人島 生活 …。




どこかの、企画では

好き好んで やっているが  俺には  完全に 違った。



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