時の子ども
枕木きのこ
プロローグ
時間は不可逆。
一度進んでしまったら戻ることは二度とない。
それが世界のルール。
100人いたら、100人がそう言う。
当たり前。常識。
言い方は何だっていいけれど、僕たちはそういう場の上で生活をしていると認知しているし、そういう通念は、絶対に覆ることなんてないと理解している。
でも。
でも、77億人いたら、1人は違うかもしれない。
時間は可逆。
戻せるものなんだ。
それが、僕と彼女のルールだった。
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