青春 10

すぐ近くに遊園地があった。


僕はベンチに腰を下ろした。


ひんやりとした空気が気持ち良かった。


その時、足音がした。


今頃一体誰だろうかと不審に思いながら、ベンチから立ち上がった。


彼女だった!


「浩ちゃんも眠れないの?」


彼女は耳元でささやくように聞いた。


「うん。美津子さんも?」


「ええ。少し寝苦しいから出てきたのよ」


彼女の姿を街灯の淡い光が、浮き上がらせていた。


二人はベンチに並んで腰掛けた。


「浩ちゃん、いつまでも一緒にいたいわ」


「うん」

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