Offset
床町宇梨穂
Offset
雨が降っている・・・。
こんな夜は少しだけ僕をセンチメンタルにする。
そしてやっぱりいつも考えている事は彼女の事だ。
レストランに入って席につくとまず携帯電話をテーブルの上に置く。
電話をしてきても絶対自分の名前を名乗らない。
ムースのキャップをきちんとはめない。
洗い物は雑でたまに皿から洗剤の味がする。
煮物はいつも辛い。
鳥の唐揚は中が赤い時がある。
水割りを頼めばほとんどストレートと同じ濃さだ。
ワインを開ければコルクが中に入ってしまう。
キャベツの千切りを作れば必ず指を切る。
たった七桁の電話番号がなかなか覚えられない。
歩いているとすぐ人のポケットに手を入れてくる。
買い物は見てる時間が90%だ。
冷蔵庫の中にはいつも使いきれなかった野菜が放置してある。
いい男がそばを通ると必ず足を組替える。
生理中でもしようとする。
仕度がとにかく遅い。
右と左を間違える。
部屋のどこにでも、ブラジャーを脱ぎ捨てる。
テトリスを5時間もやる。
車の中には物が散乱している。
これらの事が別に気にならないんだから、僕は本当に彼女の事が好きなのだろう・・・。
男って言うのは少しだけ馬鹿で、かわいい生き物だ・・・。
Offset 床町宇梨穂 @tokomachiuriho
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます