第一章 幼馴染の狼少女

7月7日 七夕

今日は由緒ある近所の神社で、毎年のように七夕祭りが行われる。

身支度を済ませて、時計を見る。

時刻は午後18時。

「いっけね、そろそろ出なきゃな…」


「いってきまーす」

俺はそう言って家を出た。

今日はとてもいい天気、まさに祭り日和である。

------------------------------------------------------------------------------------------------


神社に行くまでに寄って行くところがある。

そう、幼馴染の家だ。

幼馴染の家はそう遠くはない。

自分の家から数メートル離れたところにある。

学生時代には一緒学校まで一緒に通っていた。

「よし、ついた!時間ギリギリになってしまったが、大丈夫かな…」

玄関の呼び鈴を押して反応を待つ。

「はーい!どちら様でしょう?」

インターホン越しに聞こえるミオママの声に、自分の名前を告げる。

「あらいらっしゃい!久しぶりね?」

「ミオはいますか?」

「ミオね!ちょっと待っててね!」

すると2階の窓が勢いよく開く。

「ご、ごめん!ちょっと待ってて!!」

俺は了解の合図に片手挙げた。

どうやらまだ準備ができてないらしい。


彼女は幼馴染の大神ミオ。

とっても元気な狼少女である。

そんな彼女は巷で話題のVTuberとして活動している。

ホロライブという事務所に所属していて、いろんなゲームを配信したりカラオケ配信、中には歌手デビューをしているメンバーもいるそうで最近頑張っているそうだ。

自分もリスナーの一人であり、陰ながらに楽しませてもらっている。

彼女とは小さいころからの幼馴染なので、親同士も仲がいい。

学校もずっと一緒で、入学初日にいつまでも寝ていたところをたたき起こされり、入学式が終わった後に、お詫びにケーキをごちそうさせられたこともあった。

そんなこと考えていたら、勢いよく後ろの玄関が開いた。

「ハァ、ハァ、ハァ、ご、ごめん…遅くなった…」

「お、ようやくお出ましか。さ、行こうぜ。」

「う、うん」

「準備でもう息切れって…大丈夫なのか?」

ミオは肩で息をしている。

「だ、大丈夫…それより早く行こう!」

二人は神社に向かって歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る