ひまわりの約束

@19960211boc

第1話

仮眠と言っても良いぐらい、短い睡眠時間


音に敏感な弟を起こさない様に注意して目覚まし時計を止めて


お弁当と朝食の準備に取り掛かる


虚弱な弟は、給食を受け付けず 


保健室の先生と給食の時間を過ごしていた


少しでも楽しく食べれる様に


家では好き嫌いをしないように、厳しく躾をしているけど


お弁当には、苦手な物は避けていた


身体も弱い弟が、楽しく食べて欲しいから


「にぃさ。」


「おはよう、チャミナ。起きれたね?」


小さく頷くと、オデコに優しく触れられ


ひんやりとする手が心地良くて


「んー、体温計何処だったかなぁ?」


ガサゴソと戸棚から、薬箱を取り出して


僕のシャツを掴み


「ごめんな、ちょっと冷たいぞ。」


聴診器を付け、胸の音を聴いている兄さんはカッコイイ


「んー。チャミナ、俺と一緒に病院来るか?それとも、学校に行きたい?」


体温も微熱はあるけど、高い訳ではなく


呼吸音も、少し早めではあるけど、雑音は聴こえなかった


「学校、行っても良いですか?」


「分かった。無理だけはするなよ?それから、15時に病院で待ってるからな?」


小さく頷く彼に、食べやすい物をと思い


ゼリーと、パン粥を食卓に並べ  


「いただきます。」


食べ終わり、薬を飲んでいると


インターフォンが鳴った


「おはようございます。」


近くに住んでいるヒチョル兄さんは、チャンミンの高校の保健室の先生


「ヒチョリ、連絡帳。よろしくな?チャミナ、無理だけはするなよ?」


タイムリミットを迎え、急いで職場に向かう


職場の同僚達も、チャンミンのことは知っているけど


仕事に遅れる訳にはいかなかった


「チャミナ、今日はどうする?」


「教室行きたいです。」 


「ん。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る