かげおくり

自分が動けば影が動くことを

不思議に思ってしまった少年は

影の、また、影の連なりに戯れ続け


いつのまにか大人と呼ばれるようになり

ふと、空を仰ぐ、影が空に送られていく

少年は空にあり空は少年のうちにあった


もう、春夏の声が舞散る

枯れ葉のみえない足音に変わり

影だけを纏い歩いていた

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