うちゅうについて
あき @COS部/カレー☆らぼらとり
宇宙農夫はまだいない
宇宙農夫はまだいない 1
さて、みなさんは地球という星をご存知でしょうか?
ここも太陽系の一部ですが、ここよりも太陽に近い星、第三惑星のことを私たちは地球と呼んでいます。数百年前、我々の祖先はその星で生活していました。今日はその地球について学んでいきたいと思います。
まずは、そうですね。テキストを読む前に、みなさんに質問してみましょうか。
地球について、知っていることはありますか?
それでは、スイッチが早かったArki7wscくん、どうぞ。
ありがとうございます。
生物にとっての最適な気温が自然に保たれていた星、ですね。確かにそうです。
ご存知の通り、私たちが住むこのコロニーは、外部と遮断され、内部環境が私たち人間にとって最適になるように気温、湿度、光量などの環境がコントロールされています。
一方で、地球は、太陽との距離や自転の関係で、日照周期はあるものの、自然環境が生命にとって整っています。
整っています、というのは、実は語弊がありましたね。私たち人間を含めた生命は環境に適応して進化を遂げてきました。生命ありきで環境ができたのではなく、環境に寄り添って生命が変化していき、また環境への変化をもたらしていく、といったように、負のフィードバックを互いにかけながら存在していた、というのが、より良い解釈なようです。
「存在していた」。
そう、Arki7wscくんもいっていた通り、「保っていた」、過去形ですね。産業革命以降の石炭石油の使用による地球温暖化問題や、原子力発電所の事故や核兵器の使用による放射線問題により、環境に対する負のフィードバックが機能しなくなり、結果的に地球は我々生命体か暮らせる環境ではなくなってしまいました。
しかしながら、これまでの科学技術の発展や宇宙産業の勃興によって、スペースシャトルの開発や、スペースステーションやスペースコロニーの建設、物質循環のコントロールによる食糧生産技術が誕生し、晴れて人間は地球外で生活できるようになったのです。
みなさん、コロニーの植物工場エリアへは見学に行ったことはありますか?
工場一面に張り巡らされた水耕栽培キットに、各種苗を植え、これまでの地球環境のデータや研究から、環境をコントロールして、それぞれの植物で最適な栄養素、大きさ、量、時期に収穫できるようになっています。
こうしてできた植物、もとい食料が我々生命体のエネルギーとなっています。
昔、このような農業と呼ばれるものは全て人間の手作業でやっていたんですよ? すごいですよね。
現在でも、趣味としてガーデニングをされる方もいるかとおもいますが、やはり大量生産するには、土地や労働力などのコストがかかってしまいます。死ぬまで、自給自足生活なんて、そうそうできることではないのです。
そう思うと、これまで研究開発をされてきた祖先に感謝、ですよね。
かなり脱線してしまいましたね。
そろそろテキストを読みましょうか。
それでは、読みたい人はスイッチを。
ん?
サイレン?
なんですかね?
今日は避難訓練の日でしたっけ?
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