第3話 真実の言葉

「・・・なんで。」

と、言って真は倒れた。

ナイフが刺さったままなので、大量に血は流れていないが、それでも、血は流れている。

「・・・親の恨みよ。」

「えっ?」

「父親が貴方の父に殺されたの。」

「えっ。」

「父は貴方の工場で働いていたわ。凄く頑張ってて、仕事に誇りを持っていたわ。」

「・・・。」

「けど、私が中学の時に、父が過労死で死んだのよ。そして、母もより頑張って、働いて、父の後を追うように死んだわ。」

「・・・。」

「そして許せなかったのは、私の父の葬式の時に、社長の顔を見たわ。笑ってたのよ。」

「・・・えっ?」

「これで、私は思ったわ。社長はわざと、私の父を過労に追いやったって。そこから、私の復讐が始まったわ。」

「・・・。」

「色々、貴方の父を調べたわ。そしたら、私と同い年の息子がいることを知ったわ。」

「そして、同じクラスに、小島という男子が居るじゃない。」

「・・・。」

「そして、一応貴方の事を調べたら、父親が小島社長だった時は、驚いたわ。」

「・・・だから、父さんに近づくために、僕と付き合ったのか?」

「そうね。初めはね。」

「・・・?」

「そして、貴方が居なくなるようにすれば、小島社長に対しての復讐は完了する。」

「僕は、騙されていたのか。じゃあ、父親が作ったという、あの弁当は?」

「私が作った弁当。」

「親が決めた時間ていうのも。」

「嘘よ。」

「・・・嘘つき。」

「騙された貴方が悪いのよ。」

と、言ったが、暗くて見えにくいが彼女は大粒の涙を流していた。

「・・・なぜ泣く?」

「・・・泣いてないわ。・・・いえ、泣いてるわ。」

「・・・?」

「貴方を好きなのは本当よ。」

「さあ、どうかな・・・、信じられないよ・・・。」

「そうね、この状態だと信じられないわね。」

と彼女は言って、ナイフを抜いた。

取ったナイフから大量の血が噴き出した。

「・・・あぁ・・・。」

「せめて、楽に。」

「や、やめ・・・。」

と彼は言ったが、彼女は彼に一撃を食らわし、真は絶命した。

その後、彼女は警察に自首して、連行中、彼女も家にいる妹を残して絶命した。

警察に自首する前に、遅効性の毒薬をしていたらしい。

解剖して、毒薬が彼女の体から検出された。

動物園で買ったキーホルダーも体の中から検出された。

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真実 峪明博 @sakoakihiro

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