松江の女 9

その夜、めずらしく私は酔ってしまった。


酒に酔い、彼女に酔い、ダンスに酔った。


東急ホテルへ帰ったのは朝方だった。


松江を案内する約束を彼女としていたので、私は少し眠ることにした。


何か重いものを持っているような感覚で目が覚めた。


彼女が私の身体の上にのしかかっていた。


「重いよ」


「あら、そう?時間よ」


「わかった。最後にもう一度温泉に行ってくるよ」


「わたし、もう入ってきたわ」


「じゃ、待っていてくれ」


「早くしてね」


「オーケー」


急いで温泉に入ると、朝食を大広間で済ませた。


タクシーで松江城へ向かった。


松江城は美しく、私達を優しく迎えてくれた。


武家屋敷を散策し、明々庵で庭園を眺めながら抹茶をいただいた。


その後、私達は出雲市へ向かった。

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