松江の女 6

「それ以来、その少女の姿ばかりを追い求めていた。しかし、とうとう告白は出来なかった。そのあとしばらくして、私は他の小学校へ転校して行った」


「せつない初恋ですね」


「全くだ。告白もしないで、泡と消えてしまったのだからね」


「今だったら告白できそう?」


「もちろんさ。そばに行って、私と交際してくださいと言うよ」


「断られたら?」


「その時は別の彼女を探すよ」


「それ、いい!」


「しばらくして、また彼女にチャレンジするよ」


「ますます、いいわ」


「ところで、今夜この部屋に泊まっていけよ」


「そのつもりよ」

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