最初に地動説を考えた人物
太陽と月とは、見た目の大きさがほとんど同じ。
これはある種の奇跡なんだけど、地球から見ると、まったく混乱させられる。
見た目の大きさが同じ、ってことが、イコール、両方は同じ大きさ、ってわけじゃないんだから。
昔のひとは、天球(天にかぶせられたドーム屋根)に配されたこのふたつの天体は同じ大きさで、まあそこそこ近いとこを周回してんだろう、とのんびり感じてたわけ。
だけどギリシャのアリスタルコスってひとは、地球と太陽と月との「距離感」の観測方法を考えついた。
すなわち、半月の日になると、太陽は月の90度真横にいるわけだから(太陽が真横にいるために、月の球面の半分だけが照らされる)、地球・月を結ぶ線と、地球・太陽とを結ぶ線とでできる内角の角度を測れば、三点間の距離の比が求められんじゃね?と。
んで実際に測ってみたらあんた、その角度がほとんど90度に近い(観測値・87度・・・実際は89、5度だけど)ってことがわかったのだ。
月の真横にあるはずの太陽が、地球の真横にもあるんだよ?
ほぼ直角の角がふたつある!なんて三角形を頭の中で描いてみてよ。
三点を結んだその形は、めちゃめちゃつんつん鋭角な長い長い三角形になる。
そして、長い長いその先っちょの頂点に太陽がある、としか考えられないわけ。
「太陽、とおっ!つか、でかっ!」
地球と月とは、超ご近所にいるワンセット天体であり、太陽はそこからとてつもなく離れたところにあって、めちゃめちゃケタ違いにでけーらしい。
そこから、さらにひょっとして地球の周りを太陽が回ってるわけじゃなく、巨大な太陽のほうが宇宙の中心で、ちっちゃな月を従えた地球がそれを周回してんじゃね?とピンときた。
このざっくりしたやつが、ほとんど人類最初の地動説めいたものなんだった。
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