等角らせんもフィボナッチ

サザエのサザやんは、自分のからだが徐々に成長してることに気づくことなく、それでも毎日同じ仕事量でもって、とんがり貝殻の壁を伸ばしつづけた。

その結果、貝殻は一定の割合で(飛躍的に)大きくなっていき、自然とあのらせんが実現したんだった。

ところであの巻貝のらせんは、一段一段の大きさを比較すると、1:2:3:5:8:13:21・・・という、フィボナッチ数列になってると気づいたかな。

渦巻きの中心から半径方向に直線を伸ばし、最外殻との接点を一定の角度に取って育てていくと、こういう現象が起きるんだね。

ちなみに「アルキメデスらせん」ってのがあって、これはロープをぐるぐるにすき間なく巻きつけたり、蚊取り線香の渦巻きで出てくるらせんだ。

この渦巻きの中心から半径方向に直線を伸ばし、最外殻との角度を測ると、半径が大きくなる(ぐるぐるが進む)にしたがって、90度に限りなく収束していく。

渦巻きが大きくなるほど、円に近くなっていくんだね。

さて、サザやんとは逆に、大きな半径から中心に向けて等角らせんを描く、という動物もいる。

空中を舞うハヤブサは、地上の獲物に向かうとき、このらせんを描いて飛ぶんだ。

一直線で獲物に向かった方が簡単で早いじゃん、と思うかもしれない。

だけど、ハヤブサの目は横向きについてるんだった。

この視線の角度を維持しながら、地上の獲物に向けて最短距離で飛ぶと、軌道はすなわち、中心の一点に収束する等角らせんとなる。

この接近の渦巻きの比もまた、フィボナッチ数列だ。

こうした幾何学の模様は、ざまざまな環境で自然と発生するんだね。

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