第4話 完成!そして開店準備

そして我が城が完成しました!!


店の名前は俺が強弁!


自分の店は最初からこれに決めてました。


Bar &  Cafe Mistletoe (ミスルトウ)


宿り木って意味です。


酒場は日中に客が入らないってギルドからのアドバイスで日中は喫茶店営業をすることにしました。


商業ギルドのギルドランクはこのタイミングでCまで上げました。


年会費たけぇぇぇぇ・・・


冒険者ギルドの方はBランクまで上がってました。


まぁ、寄生だったからこんなもんでしょ?



<注>


本人無意識ですが、Lv100を超えてる時点でSランク相当です。その気になったらレッサードラゴンくらいならスキル無しでソロで倒せます・・・



日中の営業について不安です・・・


喫茶店のノウハウはまったくないので、コーヒー紅茶ケーキやお菓子なんかはアマゾンで(笑)


余談だがアマゾンで買った電化製品が魔石の魔力で動くという素敵仕様に感動しましたわ


茶葉もコーヒー豆もアマゾンで行けるし、コーヒーメーカーが使えるのも喫茶店をやる後押しになりました。


炊飯器や電気ポット、オーブンレンジはめっちゃありがたいもので、文明の利器の凄さに感動しましたわ。


ホームベーカリーなんかも買っちゃいました。


喫茶店営業するならいるでしょ


目敏く見つけた勇者達が電子レンジを白金貨1枚で買っていったのは笑いましたが・・・


後、魔石の補充は御一行が引き受けてくれることになりました。


まぁ、ゴブリン20匹も狩れば1日分くらい余裕な魔石が出るんですが・・・余剰エネルギー問題が発生しそうです。


魔石寄付の代金に毎日の弁当を作ることになったのは・・・どうなんだ?


得してるんだが面倒だぞ!


少数ながらもお得意様ができたと思えば・・・まぁ・・・いいかぁ・・・


開店直後に大流行!なんて夢物語は起こらないし、高級店を謳ってるので客足は多くないと予想してるんだよなぁ・・・


まぁ、営業時間が長いんで、バイトを雇うか奴隷を買うかって所になりそうです。


・・・お金が貯まったらね・・・


この世界は世知辛い・・・とはいえ、オープンまでの数日間を有効に使わなきゃいかんのです。


送料無料になったアマゾン様のおかげでカマーベストや蝶ネクタイ、ウィングカラーシャツ、スラックスも準備OK


いざとなったら、その場でアマゾン作戦発動!


これでどうにかなると思う


後は、冒険者ギルドに行って引退を表明してこなきゃ・・・




というわけで冒険者ギルドです


登録してくれた受付嬢さんがいらっしゃいました。


「すいません、えーっと本日は・・・」


「あっ、ハルさん、依頼ですか?買取ですか?デートのお誘いですか?プロポーズですか?」


早口でまくしたてる・・・活舌いいな、さすが受付嬢


残念ながら巨乳のお姉さんは圏外なのです


程々が一番!少し小さいくらいがちょうどいい!


手のひらサイズっていうか・・・


この世界の女性陣は一部を除いて胸が大きい!


みんな大好きケモミミっ子は 複乳だぞ!がっかりだぞ!


話題が逸れましたね・・・



「この度、お店をやることになったので冒険者を引退します。」







はい、ものの見事にギルドの空気が凍りました(笑)


「・・・というわけなのでギルドマスターさんにもよろしくお伝えください」


目が点になってる受付嬢さん・・・


「おいおい、ハルって勇者パーティーのバックアタッカーじゃないのか?」


「あいつがスリング1発でワイバーンの頭吹き飛ばしてるの見たことあるぞ!」


「隠居するほど年じゃねーだろ!」


「私、グリフォンから助けてもらったよ?」


「またこのギルドから凄腕が消えるのか・・・」


ギルドは騒然・・・


「開店したら是非いらしてくださいね」


伝えるだけ伝えてギルドを出る


さぁ!楽しくバーテンダーするぞぉ~


新たな意気込みで店に戻る俺です。



勇者リクエストのカレーライスを予定外の規模の厨房で作り始める。


店で出すつまみなんてナッツとか良くてチーズや生ハムとかでいいと思ってるから、


絶対ここまでの厨房はいらん!


レンジで十分なのに何故に石窯がある?


洗い物は水瓶でいいのに、飲料水はペットボトルでいいのに・・・


魔法式で井戸直結の上水道とかどんだけだよ・・・


これをネタに三食たかられる未来が見える・・・


先日、下着や時計他生活用品なんかをたかられたのですが?


ベッドと羽毛布団まで・・・


いいように使われてるなぁ・・・いや、初期投資かなりしてもらってるから文句は無いけど、


こっちは1日でも早く借金返したいのですが?


その部屋は子供部屋や嫁の部屋に使いたいのですが?


まぁ・・・まだ相手もいませんが・・・


出て行かれたら家賃収入無くなるので返済が遅れますが・・・


とりあえず・・・自分は節制しよう・・・


カレーの方は、後は煮込むだけ・・・とりあえず棚に酒とグラス入れますか・・・


奮発したぜぇ~ グラスは基本バカラで揃えましたよ!


ドワーフ組にジョッキでガバガバやられたら店の雰囲気ぶち壊しなんでビールも専用のグラスを用意した!


とりあえず味わって飲めって言いたい!


ちなみに当店のビールはえべっさんです。商売繁盛も願掛けしてます。


ウィスキーはこだわって結構な種類をご用意しました。


カクテル系も大概のものは作れます!


商業ギルド経由でエールやミードも仕入れました。


見せボトル以外はインベントリに入れられるんで便利です!


仕込みをしてインベントリ入れればいいから、こんなレストランの厨房クラスはそもそもいらないだろ・・・と今でも思ってます。


彼らは俺に何をさせたいんだか・・・


可愛いウェイトレスのレストランでも頭に描いたのだろうか?


それともバーの実態がどんな物か知らなかったのだろうか?


そして、住居スペースに台所が無いのは何の意味を持つのか・・・


突っ込み所が多いなぁ・・・


心の中で突っ込みを入れながらも、ウキウキしながら準備を進めてます。


そうこうしてると・・・


カランカランとドアのベルが鳴り商業ギルドのギルドマスターと勇者御一行が入ってくる。



「ハル~、カレーできたぁ?」


「とりあえずカレー後はお任せ!」


「カツカレー希望、材料はこれで」



・・・お前ら・・・材料って・・・ベヒモスかよ・・・豚じゃないよね



「ほほ~なかなか趣のある店ですな」


「勇者御一行は待ってて、カツ作らなきゃ・・・ギルマスはどうされました?」


「あぁ、釣銭用の硬貨持ってきたんだが、いるだろ?とりあえず金貨10枚分細かくしてきたぞ」


おっ!さすがギルマス!すっかり忘れてた


「助かります、白金貨でいいですか?」


「いいぞ・・・でそのカレーとやらをワシにもくれんか?」


「はいはい、今から用意するんで喋っててくださいな」


白金貨の両替をして厨房に引っ込む俺





さぁ!クッキングの時間がやってまいりました


味は極上、究極の素材と言われてるベヒモス先生です。


最大の欠点は・・・固いんです!とにかく固いんです!


下ごしらえが大変なんです!


切るのはいいんです、無茶修行中に買いざるをえなかったミスリルの包丁でいけるんです。


調理道具は行軍野営に必要だろうと割り勘で買ったのです


ミートハンマーが・・・豚骨ハンマーにギザギザがついてるやつなんです


やるしかないわけで・・・


叩く叩く叩く!


ゴスンゴスンととても料理してるとは思えない音が響きます・・・


アタッチメントでギザギザをミスリルやオリハルコンで作ってもらえないだろうか・・・


勇者におねだりしてみよう・・・




トンカツならぬベヒモスカツ5枚分の肉の処理を終えるのに汗だくになってる俺がいます。


表面に包丁を入れる?それでは中まで柔らかくならんのです。


異世界の食材なめんな・・・



ハチミツを塗り込み塩コショウで下味をつけ放置


フライヤー(業務用)に少量の水を入れ火にかける


豚の脂身を刻んだ物を少しずつフライヤーに投入


焦げ付かないうちに取り出し次を入れる


繰り返してるうちに水が蒸発しラードが貯まっていく


ただただ繰り返す・・・



冷凍食品のトンカツで済ませたかったのにベヒモスなんぞ持って来られたら


本気で調理するしかないだろ・・・



この間およそ30分、下味の方もそろそろOK


小麦粉→卵液→パン粉の順番で衣をつける


ラードの方も準備ができたので170℃で片面2分、返して4分揚げ 油きりで5分放置


カレーをもりつけカツを載せて完成である

(カレーの詳細はまた今度)



ようやく完成したカレーを持っていく・・・


「おまたせ~」


「「「待ったぞぉ~~~~!」」」


それは君らの持ってきた食材が悪い・・・



御一行は飛びつくかのように食い始める。


「これだよこれ!」

「レトルトじゃこの味は出ないからなぁ・・・」

「カツもうまひ・・・」

「これは美味い!」


喜んでもらえてなによりだ・・・


この後めちゃめちゃカレー食った・・・しかも無言で・・・


彼らは食レポには向いていない・・・


「結構時間がかかりましたな、これを店で出すのは大変そうだ」


これはギルドマスター


「ベヒモス相手だとミートハンマーが弱いから・・・」


期待を込めた眼差しで勇者を見る・・・


「任せろ、どんなのが欲しいんだ?」


さっき思いついたミスリルのトゲトゲを話す


「重量は今くらいじゃないと駄目だから先につけるアタッチメント的な」


「了解した、明日発注してくる」


「ベヒモスの肉もまだまだあるから必要だよね」


まさか、アレを全部食う気なのか?


「残ったのは売ってしまうとか・・・」


「「「それを売るなんてとんでもない!!」」」


はいはい、また今度ね・・・


「ところで、ほぼ準備もできたように見えるが、いつからはじめるのかな?」


「どうせたいして客も来ないでしょうから、明日1日宣伝して明後日からにしようかと」


冒険者ギルドと商業ギルドそれぞれに広告を張らせてもらう程度にして置く予定だ


「ワシの方も知人に知らせておこう」


「俺達も知り合いに声かけとくよ」


「店の雰囲気壊さないお客様を切に願うよ・・・」







そして開店当日

オープンは18時を予定している。日中営業は明日から・・・


アマゾンの商品拡張で総菜や生モノなんかも手に入るようになったから余裕ができた


看板は扉につけられた店名のみ


知る人ぞ知る隠れ家的な店である


そして準備中の札


メニュー表には、軽いつまみと基本的な酒の種類、お好みのお酒をご相談くださいって1文も入っている。


俺は厨房で軽いつまみの仕込み中だ


そしてそろそろ・・・腹をすかせた勇者が来るだろう・・・


今日は面倒なのでラーメンに決定


スーパーとかでも売ってる袋入りの生麺の奴である


ちょっと多めに買っておいた、きっと替え玉が必要になる・・・


味玉、チャーシュー、海苔、メンマ、長ネギというシンプルな奴


全部アマゾンの出来合いだ・・・


気が向いたらベヒモスのチャーシューでも作ってみようかと・・・


勇者印のミートハンマーが来たらの話だが・・・


丼とかの食器は賄い用に厨房に置いておく


ぜ~ったい客には出さん!めんどくさい!


俺はカクテルが作りたいのだ・・・


料理が作りたいわけじゃないのだ・・・



そうこうしてるうちに勇者の到着である


扉を叩く音・・・だんだん強くなっていく・・・


そうだ、鍵をかけたままだった・・・失礼・・・



勇者達に手抜き 自宅ラーメンを食わせて開店準備を黙々と進める・・・


こっちに来てから生麺でのラーメンは初めてだったらしく泣くほど喜ばれた。


今後はちょくちょく出す予定


だって簡単だし~


細かい準備をしてるとあっというまに開店直前になる。


時の流れって残酷です・・・

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