英雄達の叙事詩【ストーリー・オブ・ヒーローズ】

必殺脇汗太郎

一章零話『いざダンジョン!金を稼ぐために!』

この世界の名は、遥か昔にあった今はもう誰も使わない言葉で第二を意味する【セカンド】と、そう名付けられた。

旧世界の神と新世界の神が混在し、そしてしている世界。

それまでの文明は滅び、されど新しい文明が育まれた。

神達はその時の流れを、様々な感情をこめて、されど一様にこう呼ぶのだ―――


英雄達の叙事詩ストーリー・オブ・ヒーローズ


―――生命の織りなす神秘の物語と。


伊達と酔狂と、山と盛られた大冒険への渇望が、人を【英雄】の道へと駆り立てた。

           アモル著『レンリ・レンリスの記録』序章より抜粋


◇◆◇◆


「【セカンド】、そう呼ばれるこの世界に大陸は一つしかない。大陸の周りには大海原が広がり、その更に向こうには闇は広がっているとかいないとか。


大陸には多種多様な生物が生息、その生活を営んでいた。その大陸の中心に、人期は栄えた街がある。国家の首都と言っても差し支えないほど大きく、軍隊を持ち、城壁が築かれている。


その更に中心には巨大な城、のようなものが聳え立つ。だがこの街に集まった多くの者は、その城の下にある空間にこそ、生活の基盤をゆだねていた。


この物語には英雄などいない。いるのは、馬鹿な連中と、その馬鹿にほだされた連中と、馬鹿に嵌められた連中と、まぁ、とにかく多くの馬鹿だけがいる。


ああ、英雄を待つ我らに彼らはどのような姿を見せてくれるのだろうか。


城壁に備え付けられた巨大な城門が開かれ、その巨大さと比較すると小さすぎる命が、また一つ、馬鹿になりに来たようだ。


さて、そんな馬鹿の物語を一つ君たちに聞かせ」


「ねーかみさまー、ばかっていっちゃいけないんだよー?」


「……そうだな!確かに良くないことだ!ではこうしよう!」


少女の指摘に話の腰を折られた者が苦笑いを浮かべながら代案を口にする。






「さぁ始まりだ!冒険を愛する阿呆どもの、愛しき神話の話を!」






「…………あほもだめだとおもうのー。」

◇◆◇◆


石造りの建物ばかりが目立つ、文明レベルが低そうな、されどこの世で最も物語に溢れた街で、ひっそりと物語は紡がれる。

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