適当

武田修一

chapter.1 空は青くて、地面は赤い

空はどこまでも青くて、雲ひとつない晴天である。下を見れば、何かよくわからないもので赤黒く染まっている。足をあげると、ぐちょりという音と共に気持ち悪い何かが足にこびりついたような気さえした。

「お、そろそろか。」

時計をちらりと見ると、いい時間になっている。

足元の液体は消えて、足の裏の気持ち悪いものも消える―――はず。うん、液体は消えてる。足の裏は消えてない。最悪だ。

「こういうとこ適当だよな、ほんと」

ぐちょぐちょりと鳴る足で歩いた。向かう先はもちろん先生の家だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る