浜田の少女 8

僕はビーチサンダルをはいて、波打ち際を海水が足を洗うのにまかせながら歩いて行った。


遠く沖の方では、夜釣りをしているイカ漁船のカンテラが、海の上でチラチラと踊っていた。


ここの砂は瀬戸内海とは全く異質のものだった。


砂は細かく、固く締まっている。


足跡があまり残らない。


たたみが浦海水浴場へ来ると、二人は海へ入った。


海は昼間の放射熱を十分に蓄えていて、思ったより冷たくはなかった。


沖合いのロープを張っている所まで泳いで行くと、ロープにつかまり、波のうねりに身体を預けた。


岸の方へ目をやると、灯台が浮かび上がって見え、頭部から照射されている光の束が、規則的に旋回していた。

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