浜田の少女 5
唐鐘郵便局の前でタクシーを降りると、局員に沖本の家を尋ねた。
沖本の家は八百屋の隣にあった。
表で小学生くらいの女の子が遊んでいたので、その子に聞いて見た。
「沖本君の家はここですか?」
「そうよ」
少女は、明るく澄んだ瞳を僕に向けた。
「沖本君、今、家にいますか?」
「兄ちゃんは、江津の学校へ行っています」
「ほかに誰かいる?」
「はい。父ちゃんがいます」
少女は玄関を開けて呼んだ。
「父ちゃん、お客さんよ」
沖本の父親は、一見してすぐに漁師とわかるごつごつとした体つきをしていた。
顔は太陽と潮風にあたり日焼けしており、手は節くれだっていた。
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