光の王国 アトランティス
その光の王国には、ふたりの王子がいた。
兄の名はパリス、弟の名はヨシュアと云った。
兄のパリスは小さなころからその才能を発揮し、人々の注目を集たが、
弟ヨシュアは内気で見立たない存在だった。
統治神<シ>という名は、アトランティスでは
代々その時代ごとの最高神(王)に与えられる名称で、
現在の統治神<シ>は13代目の王だった。
アトランティスにはその時代、ふたつの拮抗した勢力があった。
ひとつは現在の統治神<シ>に代表される王家、
そしてもうひとつの勢力はアフロディーテとネロの父親である
大将軍が率いる軍部だった。
二つの勢力の覇権争いを避けるために取られた策が、
両家の子供たちの婚姻による同盟だった。
のちにアトランティスの王となり13代統治神<シ>となる
パリスの生まれながらの許婚はアフロディーテであり、
アフロディーテの兄ネロの許婚は(女性に変成した場合のみであるが)
パリスの弟であり妹であるヨシュアだった。
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