VERSUS

逸話

炎と水――。

その相対する二つの力は

古くから互いを牽制しあい

一定の距離を保ってきた。

炎の民『焔（ほむら）』

水の民『朧（おぼろ）』

二つの国には

『地支（ちし）』と呼ばれる

十二の選ばれし

星の名を継ぐ者達が

輪廻転生を繰り返していた。

彼等の果たすべく天命は只一つ。

“数多の禍（わざわい）の源、ヤマタノオロチを討ち滅ぼす事”

地上では次々と災厄が起き始め

太古の昔に封印した邪神が

再び甦る日の訪れが

近い事を警鐘していた。

ヤマタノオロチを倒す方法は、たった一つ。

焔に伝わりし

『草薙剣（くさなぎのつるぎ）』と

朧に伝わりし

『十拳剣（とつかのつるぎ）』

この二つの剣を共に合わせ闘う事。

だが相容れぬ二つの国が

共闘するという事は

容易な事では無かった――。

二つの国の確執と

『地支』という名の

“運命”

に翻弄された若者達の物語――

【VERSUS】