ぼたぼたという感情
【ぼたぼた】名詞・動詞サ変(N・V-ⅢG)
ジョバンニとカムパネルラが再会した日
目を開けると雨の中の夕暮れだった
イヤフォンで耳を塞ぎ
立ち返ろうとしても、時すでに遅く
記録する手が止まり
全てがぼたぼたと溢れ落ちていく
夢中で歩くばかりに濡れる足元
手に入れたいものが全て空から落ちてきて
無造作に地面に叩きつけられる
心いっぱいに泣いた私
でも、不快に感じないのは曲のせいだろうか
振り始めた雨が傘に当たる音も
鈴虫の声も
車の音も
遠くから聞こえる子供達の声も
全てが曲の一部に吸い込まれて
私の境界線も朧げになる
今私が溶けだして
こぼれ落ちた記憶の一部の還元されれば
またジョバンニとカムパネルラと
会えるだろうか
先程まで少し明るかった雨の空は
手を伸ばすと次第に暗くなり
私を拒んで夜に飲み込んでしまった
それでも曲が夜と混ざって
とても美味しそうだったから
体がそれを欲しいと言っている
今と溶け込んでより美しく
邪魔をせず今を曲の一部にして
私もジョバンニもカムパネルラも一部にして
また逢う日を迎えに
目を閉じる
今日は、ぼたぼたするなぁ。
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