一目惚れ


初めての制服が

まだ似合わない頃


色も、形も、手触りも

全てが自分サイズじゃないのに

青い春はもう止まらない


本当は

バレー部に入りたかったけど

部活見学で怖い先輩達に足がすくんで

諦めた


やりたいことなんてなかったし

夕方の教育番組が楽しみだったし

帰宅部でも、いいかなと


でも友達はそんなのお構いなしで

見学に振り回される羽目になった


白いB棟、三階の音楽室

まだ私たちが入ったことのない未知の部屋

いろんな楽器の音が聞こえる


さあ、おいでと開けっ放しのドア

吸い込まれるように

一歩足を踏み入れた


パンッと音を立てて

クリーム色のカーテンが舞い上がり

遮るもののない日の光が

目の前を真っ白に包み込む



真ん中に

エメラルドグリーンのあなた



時間が止まったような感覚に

頭の奥がじわじわと解かされて

とても気持ちよかった


上から落ちてきた熱いものが

全身を駆け巡り

体が真っ赤に熟れた

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