ようこそ妄想の時間へ〜welcome to the time of delusion 〜
Lalapai
第1話 プロローグの時間
「おい、そこまでにしな」
その言葉は静まり返った空気を鋭く走った。
「聞こえねぇのか、その子を開放しろ」
「誰が開放などするか」
二度目にして返事をした男は”顔のぼやけた女の子”にナイフを再び向けなおす。
そう、これは突然の出来事。今の一人の女の子が人質に取られているのである。そして、人質を解放しようとする”勇敢な”男子高校生。これこそがこの物語の主人公。のちのヒーロー”神崎 マスト”だ。なぜだかわからないがマストの高校、
話は戻って、緊張した状態は続いていた。しかし人質を持つ男はしびれを切らしたのか人質にしている”顔のぼやけた女の子”を切りつけようとしたその時、、、
‘ライトムーブ......‘とマストがつぶやくと目にもとまらぬ速さでその場にある空気をまるで切り裂くかのように走りその男の目の前へと立ちはだかった。そしてすぐにマストは人差し指と親指を立て男が握り持つナイフに向かい`バーン`と言って見せると男の手に持っていたナイフが宙を舞った。男はいきなりの衝撃に驚き腰を抜かして尻もちをついた。その間に”顔のぼやけた女の子”を後ろに下がらせた。
ナイフが地面に突き刺さる音がした。マストは目の低くなった男を見下げて言う。
「今回は見逃してやる。立ち去りな」
「だまれぇぇぇぇえ!」
男にはマストの声は聞こえていなかった。男は素早く隣に突き刺さったナイフを抜き出しマストに刺そうとした。
「懲りないなぁ。......シャドー....」
突き刺さったナイフはマストの腹部を貫通する。ナイフを持った腕までも貫通する。そして”勇敢な”マストの体から血が噴き出たかに見えた。しかし、体はチリのようにばらばらになりそれは男の体の後ろに回り込み元のマストの形に戻った。
「そこまでだ....」
マストは男のうなじを`トン‘と叩くと男の力が抜け落ちた。そして男は倒れた後チリになって消えたのだった。その途端3人しかいないはずの体育館のいたるところから歓声が沸いた。その歓声の後に連れて湧いて出たかのように人が現れる。しかし、’勇敢な'マストは不思議に思うことはない。なぜなら、、、、
妄想の中だから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます