プロローグ

 炎を見ていた。

一面に広がる、炎の海を。

火炎に焼かれた人間達が叫び、逃げ惑う。

仲間を殺された人間達が泣き喚く。

しかし、にとって、それらは全てどうでも良いことであった。

彼女の胸の中には今、怒りしかないからだ……。

何故、と考えても最早仕方がない。


 これは、誰の心の中にでもある暗い炎の話。

闘うことでしか前に進めない、不器用な亜人達の物語……。

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